確かではない情報に思い切り振り回されてしまった私を救い出した、医師おふたりの著書です。
「産婦人科医ママと小児科医ママの らくちん授乳BOOK」
著者:宋美玄 森戸やすみ
イラスト:栗生ゑゐこ
編集者:メタモル出版
ASIN:B01MQ2QIRD
発行日:2016/10/27
産婦人科医ママ宋美玄先生と、小児科医ママの森戸やすみ先生の著書です。
全5章からなり、各章の中に5~10弱ほどのQ&Aがありますので、気になる質問をサッと拾い読みすることも可能です。
本書のスタンスとしては、タイトルで「授乳」と明記されている通り、赤ちゃんに与える栄養は母乳・ミルクどちらもそれぞれメリットがあることを医学的根拠をもとに示しています。
それでも母乳の記述がやや多くなりますので、母乳育児に悩むお母さんに特におすすめです。
授乳の悩みは多岐にわたります。飲めてるか、足りてるか、この姿勢でいいのか、これ食べてもいいのか、薬飲んでもいいのか……退院後に分からないことがどんどん出てきてしまい、それでも次の授乳は昼夜問わずひっきりなしに訪れます。
もちろん緊急的な事態には、かかりつけ医や薬剤師の指示に従うべきですが、授乳に関する知識をつけておくという意味でこの本は強い味方になります。
長女の授乳中のネットや口伝えの情報はひどいもので、カレーを食べると母乳が辛くなるだとか、脂っこいものは食べられないだとか、風邪をひいてもいかなる薬も飲んではいけないだとか、授乳中は赤ちゃんの顔を見つめ続けなければならないだとか、疲れ切った産後の母親を追い詰めるようなものが多かったです。
いまだに覚えているのですが、お二人の会話の中で
「カレーを食べて母乳が辛くなることはないです。インドのお母さんの母乳が辛いなんてことは無いですから。」
のような発言をSNSで読んで、母が作ってくれたカレーを拒んだ私は目が覚めました。
常識的に考えてそうじゃないか。しっかりしなきゃ、と。
情報におぼれていた私を救い出してくれた、宋先生と森戸先生には感謝してもしきれません。
授乳にかかわるすべての方に読んでいただきたいです。
さいごにひとこと
栗生ゑゐこさんのイラストが好きなんです。
Twitter時代にたまたま見つけ、なんて的確でかわいい赤ちゃんを描ける人だろうと感動しました。長女が赤ちゃんの時に「赤子しぐさ」という本を繰り返し読んでほんわかしていたのを思い出します。またどこかで紹介しますね。